2004
平成16年
7月
電気炉から発生するスラグが、沖縄県リサイクル資材に認定
以前から、電気炉スラグは、産業廃棄物として、最終処分場に運んでいたため、全国的にリサイクル資材として認知されるようになってからも、産業廃棄物であるとの概念が強く、なかなか民間工事、公共工事への利用が困難だった。そんな中、環境試験や品質試験等の結果をお客様へ説明することで、一般住宅の駐車場や倉庫の下層路盤材として、出荷が始まっていった。しかし、年間20,000t/年程の発生に対して1,000t/年しか出荷できず、構内在庫が膨らむ状況が続いていた。
そんな中、平成13年頃から、全国では資源の循環利用及び廃棄物の減量を目的に、廃棄物を原材料としたリサイクル製品の認定制度が始まった。九州地区では、佐賀県が平成13年に、大分県が平成15年から制度を開始、沖縄県は平成16年7月から、沖縄県リサイクル資材評価認定制度(ゆいくる)が開始した。
その後、県内の那覇空港第二滑走路建設や防衛案件に対して、路盤材の需要が多く、通常の骨材(砕石40mm)の供給がひっ迫してくる環境を見据え、大野産業㈱様と共同してスラグの活用に取り組みを開始した。そして平成19年、「スラグ含有路盤材」として、ゆいくるの認定を受けた。お客様からは、電気炉スラグ入り路盤材は硬度が高く、適度な水浸性があり轍(わだち)が残りにくいと、高評価を得る製品となった。
安定的に大野産業㈱様へスラグを出荷することで認知度も高まり、平成20年には恩納南バイパス工事の下層路盤材への出荷とつながっていった(8100t)。その後も少しずつ実績を積み上げ、徐々に出荷も増えていくこととなった。
平成22年には、北中城村から、米軍基地の返還跡地であるライカム地区の整備事業に伴う下水道工事に、再生破砂を利用したいとの問い合わせがあった。
北中城村発注者の建設課(上下水道担当)と地元施工業者の徳山建設様と、資材供給の拓南製鐵で、実際の下水道工事の図面を基に、試験施工を実施。その結果、水浸性が優れていることを高く評価された。
懸念事項として、若干の磁力探査に反応した件が、北中城村から指摘があったが、施工業者からの後押しもあり、通常の鉄パイプとスラグの磁気反応では明かな違いがあることを試験施工時に説明を行った。このような打合せや説明を積み重ね、北中城村やうるま市の下水道工事には、電気炉スラグが図面指定されるに至った。
現在は、「電気炉スラグ再生砕砂」及び「電気炉スラグRC-40」の2製品が、ゆいくる認定されており、多くのお客様にご利用頂いています。