1987
昭和62年
6月
第1回QCサークル社内大会の
開催
拓南製鐵(株)の本社機能を、発祥の地である壺川に移転した1987年。当時はバブル経済 真っただ中で物価が高騰、浦添工場移転から10年が経過という事もあり、経費を削減し業務効率を上げていかなければならないという課題に直面しておりました。また、業務内容を社内で共有し、お互いにモチベーションを上げると同時に、内部コミュニケーションを図る必要性を感じていました。
そうした様々な課題を解決し、コミュニケーションも図れる企画はないかと考えていたところ、自分たちの身近な問題に適用して改善効率をチームで上げ、その体験事例を発表する事でモチベーションが挙げられると感じ、第1回QCサークル社内大会を開催しました。
1987年6月2日、拓南製鐵(株)を中心に関連企業などから200人が集い、改善活動の成果を沖縄ハイツ大ホールにて発表しました。黒島大会長は「QC活動は社内の問題点に関し自主的に全員参加で、意見を交換し改善を行うことに意義がある。厳しい鉄鋼業界にあって全国同業他社の中で生き残るには、より良い品質とコスト低減が必要。“早く安く上手に作る”ことこそ大切だ」とあいさつを述べました。
当時ネックとなった問題として、通常の作業中に改善を行っていたため、+α(余分)の仕事と捉えられました。また班長のほとんどが中卒であり、資料作成や発表をした事がない上に、QC手法が難しく理解できないという中で推進していました。しかし地道な取り組みにより、徐々に個々のスキルが向上し、問題解決や論理的思考が身につき、コミュニケーションが活性化、チームワーク力も高まっていきました。
QCサークルの輪が広がる事で、職場に改善活動が定着し、単調になりがちな 現場作業を創造性のある仕事に変え、品質と生産性を大いに向上させました。 また、実践を通して人間力の向上やリーダーシップ力の育成、活気のある職場 作りなど、多くの効果をもたらしました。
<受賞例>
社長賞:中城工場線材課わくわくサークル「溶接金網の解込み量の安定化」
大会長賞:圧延部工務課 超硬フレンドサークル「切削工具の研削による再使用化」
優秀賞:製鋼部スティールメイクサークル「各部所の連絡方法の見直し」