70周年スペシャル企画

1988

昭和63年

6月

新たな市場への挑戦、
鹿児島県に(株)薩南物産を設立

今後の販路拡大と工場の稼働率向上を視野に入れ、創業者の古波津清昇および拓伸商事の宮城幹夫社⾧と射場重行専務の3名で、集めた資料をもとに鹿児島県の鉄筋の需要状況、スクラップの発生状況について市場調査を実施。その結果、鹿児島県と宮崎県に電気炉メーカーは1 社もなく、いずれも県外からの移入鉄筋に依存していることが分かりました。おのずと、発生するスクラップもすべて県外に移出されており、数量は別にして将来拓南製鐵(株)も充分に参入できる市場であると確信。

そこで、最も利便性がよく、隣県でしかも同業の電気炉工場のない鹿児島県を拠点とすることにしました。同県開発事業団から七ツ島工業団地約3,000㎡を購入し、1988年6月には(有)薩南物産を設立し、事務所と倉庫兼鉄筋加工工場を建設。事業開始した翌年には景気が上昇し、順調な船出となりました。

1991年、もう一つの課題だった原料(鉄くず)の確保に着手。これまで不足分については、米国やオーストラリアから購入し、大量輸送することでコスト低減を図っておりましたが、相場変動の激しい鉄くずの大量仕入れはリスクが大きく、ストックも困難でした。

こうした背景から、1船2,000~3,000トンのソ連(現ロシア)くずに替えましたが、さらに安定供給を図るため、鹿児島県から鉄くずを移入することに。同年4月、(有)薩南物産を株式会社へ組織変更するとともに、谷山港の港湾用地約3,000坪の使用許可を取得。1,250トンギロチンシャーや400トンプレス機などを設置し、本格的なスクラップ加工を開始しました。製品の移出、鉄くずの移入と往復路荷物を運ぶことによって、輸送の効率化・経費節減に今も大きく寄与しています。